2009年4月2日付け
読売新聞
「元気通信」



 元気通信

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ホカホカ地元牛肉を

新竹商店 (三重県松阪市日野町)


(女性シリーズ)

 三重県内のJR駅で唯一、駅弁が販売できる老舗だ。松阪駅到着時間に合わせ、事前に注文のあった乗客に「できたて」を届けるサービスを続け、好評を博している。

 4代目の新竹浩子社長(48)=写真=は「ここまで続けてこられたのは、味に納得してくれたお客様のおかげ」と感謝の念を忘れない。徹底的に地元の食材にこだわり、松阪市ならではの駅弁を旅行者に楽しんでもらおうと、松阪牛や地元産の黒毛和牛を使った、ホカホカの食事を提供する。

 亀山駅(三重県亀山市)と和歌山市駅(和歌山市)を結ぶJR紀勢線の全通50周年にちなみ、4月10日から「復刻版 元祖牛肉弁当」(1380円)を発売する。1959年7月15日に紀勢線の全線開通を記念して売り出した地元産黒毛和牛の焼き肉弁当で、現在でも販売する「元祖特撰牛肉弁当」(1260円)の原点。

 今では、駅弁も黒毛和牛を甘辛く味付けしたそぼろ煮を酢飯で巻いた「霜ふり寿司」(840円)や松阪牛のすき焼きを乗せた「匠の技 松阪牛物語」(3150円)など16種類に増えた。「極上松阪牛ヒレ牛肉弁当」(1万500円)は、駅弁としては全国で最高額だ。

 新竹社長は「多くの旅行者に愛される駅弁店に成長できたことが一番の幸せ」と、いつも新しい駅弁づくりへの構想を思い描いている。

(中津川健男)

 (電)0598・21・4350
 創業1895年。駅弁製造販売、ドライブイン経営。従業員34人。


2009年3月31日  読売新聞)